想い出

小さい頃、年末になると
おじいちゃんがお蕎を打ってくれた。
私の仕事はその蕎を踏む事。
丁寧に蕎を同じ幅に切り、
鰹節を削って夜はねぎでお蕎を頂いた。
今でも蕎を踏む感触、そばを切る感触
鰹節を削る感触、蕎の匂いを鮮明に覚えてる。
1月1日も誰よりも早起きして刺身を造り、
つきたての餅の雑煮を準備するのもおじいちゃんだった。
食が好きで旅行も好きで、
ハワイ旅行に行く度に
ムームーとチョコを買って来てくれた。笑
おじいちゃんの仕事を手伝うと、
桃のジュースを買ってもらえるという知恵も付いたり、
イカ釣りに夜中でかけられてしまって
置いて行かれた様な気分になり、
もう置いて行かれまいとべったりとおじいちゃんの横で
美味しいものが出て来るのを待ち構えてたり、
秋には秋刀魚や茄子を七輪でやいて
大根おろしをのせて食べさせてもらった。
よく考えれば
おじいちゃんのごはんが私の食の基本だ。
夏に日本に帰ると
娘と旦那さんは汗だくになりながら七輪で秋刀魚を焼く。
火種を入れて、炭に火をつけるだけでもなかなか大変で、
その上火加減はもっと難しい。
こうやって、おじいちゃんとの想い出を
娘と分け合えるなんて考えた事もなかった。
私が高校生の時に天国へ旅立ったおじいちゃん。
お蕎を食べて想いだし。
秋刀魚を食べて想いだし。
お寿司を食べて想いだし。
普段泣かない私でも
こういう想い出し涙はよくこぼれそうになる。
でも
想い出があるってありがたい。
おじいちゃんご馳走様でした。






コメント

  1. ステキな思い出。
    小さい頃の思い出って大切だなって、大人になってわかるよね。大人にとっては当たり前の事。でも、子供にとっては特別な事なんだよね。

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    1. 子供は、そばにいてホカホカ太陽みたいに照らしてあれば、どんどん心も伸びて行くんだよね。勿論、雷も沢山落ちますけどね...笑。また一緒に食べ物囲もうね♡

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